春の謎三つ
今日から母が遊びに来るというので、昨日、一昨日と必死こいて片づけをしておりました。
尻に火がつかないと、動けないタイプです。
加えて、「埃じゃ死なない教」というのを狂信的に信仰しております。
一昨日は、気持ちのよい青空が広がりました。布団を干し、洗濯物を干し、くつを干し、まな板を干し、洗った食器を干し、雑巾を干し、何でもかんでも干しまくって、ああ、いい気持ち!満足感にひたっておりました。
車のエンジン音に、誰だろう?と外を見ると、・・・・・・ときすでに遅し。
蒸気を勢いよく吹き上げたバキュームカーが家の前に停まっておりました。開け放した窓からも、ほどなく臭いが流れ込み、・・・ああ、もう。布団が~~。食器が~~。
ふだんはあまり気にしてないけど、このときばかりは「ボットン式」が恨めしいです。悔んでも仕方ありません。自分の落し物だから。
だがしかし、汲みとる前に教えてくださいよ~(涙)。いつもそう言おうと思うのだけど、お兄さんに向かって「汚い」と言ってるような気がして、「いやいや、汚いものではないのだ」と無理やり目をつぶっております。
だけどねー、ホントのところどうなんだろう。夕方近くまで干しておいて臭いはすっかり消えたけど、蒸気中の「エキス」は付着していないのか?ん?どうなんだ?自分のだけど・・・。知りたいけど、知りたくない、謎なのです。
そして昨日は、今まで頑なに目を逸らし続けた、台所の一角や縁側の隅に、とうとうメスを入れました!やった!実に半年ぶり!?
人格が疑われそうですが、ふだん、行動半径には掃除機もかけるし水ぶきもするんですよ(ときどきね)。古~い広~い家には死角があるのです。・・・ということで。
広い台所の隅には、どこから入り込んだのか、落ち葉がたまっておりました。以前、天井が抜けて、雨水が大量に流れ込んだ場所なので、どっかに隙間があるのかなあ。大風の吹き荒れた後には、畳の部屋にも落ち葉が積もっていることがある我が家です。
そして、縁側には、
カニの亡骸が・・・。
書類を放り込んでいたダンボール箱をどけると、そこには埃と一緒に干からびたカニが。
うーーーーん。謎だ。どっから来たんだろう。そういえば一度だけ、家の前の道路を歩いているカニを見かけたことがありました。沢伝いに散歩に出て、迷ったんだろうか。
「そんなところに隠れなければ、から揚げにしてあげたのに・・・」
ひさかたの 光のどけき春の日に
我泣きぬれて カニとたわむる
どうしようもなくいい加減な、こんな合体句が心に浮かびました。
亡骸となったカニが哀れだったのか、食べられなかったのが悲しいのか、部屋が汚いのが悲しいのか・・・泣きたい気分です。
「埃じゃ死なない教」信者なのに、埃で死なせてしまいました。ごめんなさい。合掌。
1年でいちばん食卓がにぎわう春。
うちの流しはいつもこんなことになってます。
一抱えもある山葵をいただいたり、
ふきのとうや「ぴょんぴょん」を摘んできたり。
ぴょんぴょんというのは開田弁で、ノカンゾウのこと。
呼び名のとおり、ぴょん、ぴょんとはねた葉先がチューリップの子どもみたいで可愛らしい。この時期、あっちこっちで顔を出しています。
我が家ではさっと茹でて、酢味噌や辛子マヨネーズで和えて食べます。手折ったばかりの茎の根元が、甘くておいしい。育ちすぎると固く筋張ってしまうから、今だけの初春の味わい。
それがね、謎なんですわ。こんなにおいしいというのに、ふきのとうもノカンゾウも、土筆も、このへんで摘んでる人を見たことがないんです。我が家の住人二人だけ(笑)。こんなに生えているのに、もったいないなあ。
思うに、山の人たちはふだん蕨や筍、茸なんかをたくさん食べてるから、1年分のアクはそれでこと足りているのかもしれないなあ。
緑が美しいぴょんぴょん^^
そして手前は絶品!手づくり蒟蒻。いつもお世話になっているご近所のSさんから、「芋をもらったからつくってみたよ」といただきました。これってつくるの大変なんですよねえ。
つくりたての蒟蒻は、ぷるん、ぷるんでみずみずしい。刺身にして、生姜醤油で食べたら、あまりにおいしくて、からだがふにゃふにゃしてしまいました。
もう一品、芋茎とするめの煮物。これもSさんにいただきました。ピリ辛で酒のつまみにもってこい^^
「こないだもらった唐辛子を入れてみたよ」
玄関先に吊るしていた唐辛子。そういえば、あげたかなあ。
こうしてときどきいただく手づくりの味が、とってもとってもありがたい。しっかり食べて、味を覚えて、今度は自分でつくってみますね。
Sさんへのお返しは、山葵漬け。
沢で採ってきたという山葵をいただいたので、一度に漬けて親戚にも宅配便でおすそ分け。かなり辛味が効いていたけど、Sさん大丈夫だったかなあ。
それでは、まいります。
世にも辛~~い山葵漬けのつくりかた。
①山葵の根はすりおろして、タッパーに入れておく。
②葉と茎を食べやすい大きさに刻んで、ざるに入れる。
③熱湯をまわしかけ、水気を切って
④ボールに入れて手早く砂糖と塩、すりおろした山葵を混ぜ合わせる。
⑤熱いうちに密閉容器(瓶、タッパーなど)に入れてふたをする。あとは、一日そのまま冷蔵庫に置いておくだけ。
簡単で、ほとんど失敗がない山葵漬け。一度、お試しあれ。
いただいた山葵の余分な根っこは、あとで沢まで返しに行きました。埋めておいたら、根付くもんね。
また来年!立派に育ってちょうだいねー。
大丈夫だよ、その沢ガニの死因は埃死ではないと思います。
・・・だって、埃では死なないもん。←座右の銘=生き証人(^w^)
春いっぱいの野草の食卓、素晴らしいです。
手間隙かけた分、美味しいし、内側から元気になれますよね。
なんか、いいな~、こいう食べ物を大切にしている人がいるって。
ほんわかしました。
by (2007-03-28 22:41)
僕も埃じゃ死なない教信者です。
掃除する時間あれば外で遊びたい。
そしてバキュームカーって今となってはなつかしいですね。
そうそう、匂いってそのものの粒子が飛んでくるんじゃないかって
昔、中学の英語の先生がそんなことをいってました。
どうして、あの匂いになってしまうのでしょうかね?不思議です。
こんなコメントで恐縮です・・・
by derosa84 (2007-03-29 00:28)
ノカンゾウの緑が美しいですね~
私も昔はよく食べたものですが、この辺りは犬の散歩道に
なってしまって、摘んで食べる気になりません^^
でも・・・どうして台所にカニが・・・?
そんな環境の所に住んでいるっていうことですよね。
バキュームカーの臭いも・・・なんだか懐かしい^^
by タックン (2007-03-29 20:40)
「ほこりで死なない」 耳障りの良い言葉 フフッ♪
ぴょんぴょんなんて可愛い名前ですね。どれもこれも、
おいしそうです。今度、開田に行くときはこーさんちに
入れ物持って伺うことにします(爆笑)
by むらさき (2007-03-30 09:42)
「埃じゃ死なない教」私も信者になれそうだわ(笑)
こーさんと同じで、目につくところや居住スペースはわりと気になるんだけれど、
そう、死角ってあるんですよね。
それにしても羨ましい食卓です。
周りにあるものを採ってきて食べるのは理想中の理想。
山葵なんて、水がきれいな沢にしか自生しないですものね。
ほんとに近所のみなさん、採らないんですか?
今度かご持って採りに行こうかしら・・・。
by (2007-03-31 18:10)
もう、山菜の季節ですね。
あ~、私も尻に火をつけてもらいたい。
お山が恋しい、ハイジの気分です。
山菜取りはいつもお師匠様の後ろをついていきます。
大抵、出遅れてたらの芽は見つからない。
これからはコシアブラかな。
でも、必ず、一つの芽だけいただきます。
後は翌年の楽しみに。
埃じゃ死にやしません。
カメムシだって、カマドウマだってしぶとく生きていますわ。
by mamire (2007-03-31 21:55)
ああ~みなさま、お久しぶりです。
すみません。すみません。コメントをいただきながら、ほったらかしです。
セキュリティがなぜか突然無くなってしまい、2週間ほど、インターネットができない(しづらい)環境になっておりました。お許しください。
またボチボチ更新したいと思います。
こぎんさん、
お久しぶりです。
カニは埃死ではないんでしょうか。そう言っていただけると、救われます。
もしかして、こぎんさんも信者ですか?確か、千葉支部があったと思うんですが・・・。
我が家は春の食卓がいちばん充実しています。
>内側から元気に
まさにその通り。「苦モノ」を食べると、元気がでます。
そして、食費も安くあがります^^
derosa84さん、
お久しぶりです。
そうそう、確かderosa84さんは新潟支部長でしたね。
匂いって、そのものの粒子が飛んでくるんですか?
そうですか。そうですよねえ、やっぱり。
そう思うと、花の匂いならいいけれど、アレの臭いはいやですねえ。
食器は二度洗いして正解でした。
タックンさん、
お久しぶりです。
そうそう、犬の散歩道になってると、やたらと草摘みができませんね。
車の排ガスが多いところも、躊躇してやめてしまいます。
そうやって、だんだん食べなくなっていくんでしょうか。
せっかく芽吹いてくれているのに、もったいない話です。
バキュームカーの臭いが懐かしいなんて!
確かに、自分のと思うとガマンできるというか、それほど悪臭にも感じないんですが・・・(笑)。
むらさきさん、
お久しぶりです。
ぴょんぴょん、かわいい名前でしょう?
結局、あれから開田には行けずじまいですが、これからがいちばん美しい季節になりますね。
ところで、私は開田の人ではありませんよ~~。ま、道中に家があることは確かなので、開田で採った山菜をいーっぱい詰めた入れ物を持って、どうぞ遊びにいらしてくださいね(笑)。
by こーさん (2007-04-12 23:43)
nadiさん、
お久しぶりです。
ああ、ここにも隠れ信者が(笑)。
私の場合は、「死角」がとても広いんですけどね。
山に住んでよかったなあ、と思えることは、空気のおいしさ。水の清冽な流れ。空の青さ・・・いろいろありますが、春から夏にかけての山菜採りも楽しみのひとつです。狩猟採集民の血が騒ぐぜって感じでワクワクします。
とはいっても、私の場合はほんの楽しみ程度。
山の恵み、海の恵みをたよりに自給自足できたら、どんなにすてきだろうかと思うのですが。
mamireさん、
お久しぶりです。
ハイジさん、お山の桜は咲きましたか。
うちの周辺は、今ちょうど見ごろです。
山菜採り、お師匠様がいらっしゃるんですね。それはうらやましい。
慣れた方は目が違いますものねー。同じところを歩いているのに、見えてる世界がぜんぜん違うんですよねー。
私はタラの芽より、コシアブラのほうが好きかなあ。岐阜では「コンテツ」というんですよ。生でかじると、三つ葉の香りがしてホッとします。
by こーさん (2007-04-13 00:00)