水色の空に
夜半に雨が降った。
久しぶりの雨。あたたかな朝となった。
暦の上では立春を過ぎ、植物も動物も、春に目覚めていく。
・・・というか、休眠できたんかな。
冬眠しなかった熊は、食べるものを探しに人間の住む町まで来ていたし。
冬場に眠らなくっても、花は咲くの?実は生るの?
昨日の青空。淡い水色は春の空。
冬がなかった。といっては言い過ぎかもしれないが、今年になってからは特に、暖かい日が続いている。
雪のない山々。
本当にこのまま、春になっていくのかな。
役場で手続きを済ませ、諸々の用事を済ませ、
街に出たついでと、久しぶりに川沿いを歩いてみた。
つぶつぶと、白い泡が流れていく。
春の陽光を浴びて、リフレッシュするつもりが、
反対に憂鬱を抱えてしまった。
工業地帯であるN市の川沿いは、大型ダンプの出入りが多い。
てくてくと、歩いている脇を車がすり抜けて、黒いものを吐き出していく。道路は汚れて、すえた臭いがする。
川には、泡だらけの排水が流れ込んでいた。
支流へと注ぎ込む細い流れの両脇には、鮮やかな緑の藻が付着して、合成洗剤をそのまま流し込んだような塩素系の臭いが充満している。深呼吸どころではない。
まさか、全く浄化せずに、ということはないだろうが・・・。
私の知っている、透明な青い川。
木曽の上流から流れてきた美しい水に、この流れが合流するとき、
もうここから下流へはきれいな水は流れないのだ。
自分が住んでいる市の街なかが、ちょうどその分岐点となっている。
大切なものを、足で踏みつけている気がした。
水色のきれいな空に、煙突が一本。
ちょっと一服、
と薄い煙を吐き出している。
背景の山はいつまで青いだろう。
空はいつまで青いだろう。
棘のように刺々しい気持ちが、胸に住み着いている。
容易にはほどけないけれど、
一本一本解いていくしかないだろう。
傷ついても。自分で解くしかない。
人間が重ねてきた業も、
やっぱり人間が解いていくしかないのだろう。
きれいな空ですね。
本当に冬がなくても春が来るの?
何かを忘れているよね。
一つずつ乗り越えて次が来るのに。
桜は、冬の寒さにあたって始めて花が咲くと聞きました。
こんなに温かくてちゃんと花が咲くのかしら。
by mamire (2007-02-09 22:12)
クマが今起きても・・・食べるものがないですよ~~(T.T)
可哀想なクマが出るのかな?
工場排水には規制がかかっているはずなのですが・・・???と思う場面を目撃しますよね。
今の技術力なら、煙も排水もかなり清浄化できそうだけど・・・、投資する資産がないような所が多いようです。目に見えない部分で、土壌も怖いです。
今年、話題になったのは、利根川経由で、数年前まで日本一汚かった沼を通って、その上流の川に鮭が遡上したんですよ。
本当にキレイになったから・・・というより、迷子、迷い魚だったような気がします。いつか、清流になるといいな~と思うニュースでした。
by (2007-02-10 17:39)
むらさきさん、
ありがとうございます。
mamireさん、
桜の話、私も聞いたことがあります。
野菜なんかもそうですよね。霜にあたって、甘くなる(=栄養価も上がる)ように、四季のある日本では、ちゃんとカラダがそのようにプログラミングされているはず・・・。
本当に、冬がなくても春が来るの?
そして、夏は?秋は?
雪どけ水が流れない山はどうなるんだろう。
川はどうなるんだろう。海は?
とても心配です。
こぎんさん、
クマもかわいそうよね。食べ物がないと、山を下りるしかないですから。
去年はたくさんのクマが殺されたのではないかなあ。
北極のクマも大変なことになってるみたいですね。氷が張らないと、死んでしまうかもしれない。
これも、人間が引き起こしたことなのですよね~。
鮭の溯上・・・ってそういうことだったんですか。迷い魚かあ。
でも、少しはきれいになったのかな。
一度壊してしまったら、元通りにはなかなかならないですよねえ。
by こーさん (2007-02-10 22:30)